フォルクスワーゲンがドイツ国内工場の閉鎖検討 対象はどの工場になるのか? EV市場の未来に警鐘鳴る
ツヴィッカウ工場の運命

VWは、車両工場と部品工場の1か所ずつを閉鎖することを検討しているようだ。9月下旬から始まる労使交渉を前にした一種の“脅し”ではないかともいわれているが、実際に閉鎖される可能性のある工場について考察してみる。
VWはドイツ国内に六つの車両工場(ヴォルフスブルク、オスナブリュック、エムデン、ハノーファー、ドレスデン、ツヴィッカウ)と三つの部品工場(ザルツギッター、カッセル、ブラウンシュヴァイク)を持っている。このうち、ニーダーザクセン州には五つの車両工場とふたつの部品工場があり、同州はVWの議決権株20%を保有しているため、特に雇用に関する重要な決定に対して拒否権を持っている。
VWのような大規模な工場の閉鎖は地域経済に大きな影響を与えるため、州としては雇用維持の立場を貫くと考えられ、これらの七つの工場は閉鎖の対象にならない可能性が高い。また、本社工場であるヴォルフスブルクの閉鎖も現実的ではないため、残る選択肢は
・ツヴィッカウ工場
・カッセル工場
のふたつとなる。
2024年7月、ツヴィッカウ工場では1000人以上の臨時従業員が2025年末までに解雇される可能性があると報じられた。この工場の年間生産能力は約36万台で、EVのID.3、ID.4、ID.5などを生産しており、新型EV「トリニティ」の生産も予定されている。従業員数は約1万人だが、EV需要の減速を受けて、さらなる人員整理や閉鎖が予想されている。
一方、カッセル工場はVW最大の部品工場で、マニュアルトランスミッションやオートマチックトランスミッションなどを生産している。約1万6000人を雇用し、1958年から稼働している伝統ある工場だが、内燃機関向け部品が主力であるため、変速機メーカーへの売却などの選択肢も含めて、閉鎖の可能性が否定できない。