プリウス誕生前に「ハイブリッド技術」が存在していた! 誕生の意外な動機をご存じか【リレー連載】ハイブリッド・ア・ゴーゴー!(8)

キーワード :
, ,
1997年に登場した世界初の量産ハイブリッド車であるプリウスは大きな注目を集めた。しかし、ハイブリッド技術は過去にも存在していた。例えば、1915年に米海軍が建造した戦艦「ニューメキシコ」や、1930年代のディーゼル機関車がその例だ。特に1942年に設計されたティーガーI重戦車は、600hpを超える出力を実現したが、信頼性に問題があった。

ハイブリッド技術の歴史

1997年に発売された「初代プリウス」(画像:トヨタ自動車)
1997年に発売された「初代プリウス」(画像:トヨタ自動車)

 世界初の量産ハイブリッド乗用車、プリウスは1997(平成9)年11月に発売され、大きな注目を集めた。ガソリンを燃料とする内燃機関にモーターアシストを併用したハイブリッド機関自体は、2年前の1995年11月にショーモデルとして発表されていた。

 当時、内燃機関と電動モーターの併用に対して「古風だ」と感じた人も少なくなかった。その理由は、ハイブリッド機関が異なる名称であっても、過去に実用化されていたことがあるからだ。過去のハイブリッド機関は、後に「シリーズハイブリッド」と呼ばれるものに相当する。つまり、内燃機関を電動モーターでアシストするパラレルハイブリッドではなく、内燃機関や蒸気タービン機関が発電機を駆動し、その発電した電力でモーターを動かすシステムが特徴だった。

 このタイプの機関が最初に実用化されたのは船舶で、米海軍の戦艦であった。第1次世界大戦中の1915(大正4)年10月に起工され、1918年5月に就役した「ニューメキシコ」がその例だ。

 それまで米海軍の艦船は直結式の蒸気タービンを使用していたが、高速回転が効率的な蒸気タービンに対して、推進プロペラは速度に応じた低速回転が必要で、蒸気タービンの特性を生かせない問題があった。この問題は後に大型の減速ギアボックスを併用することで改善されるが、当時はまだ実用化には至っていなかった。

 そこで導入されたのが、蒸気タービンで発電機を駆動し、その電力でモーターを介してプロペラを動かすタービンエレクトリック駆動だった。この時代にはもちろん、シリーズハイブリッドという用語は存在しなかった。

全てのコメントを見る