昭和の風物詩「社員旅行」 令和の今こそ復活すべき? 90年代初頭はなんと9割の会社が実施していた!
社員旅行は、組織の結束力を強化する重要な手段として再評価されている。富士通総研の実験では、昭和の社員旅行が社員同士のコミュニケーションや相互理解に寄与することが明らかになった。しかし、豪華な旅行が必ずしも企業の業績向上につながるわけではなく、企業文化や方針が大きく影響している。現代のビジネス環境において、社員旅行は信頼関係を構築する重要な役割を果たす存在として注目を集めている。
社員旅行の必要性94.3%が否定

かつて、社員旅行は会社員にとって毎年必ず行われる行事だった。しかし皮肉なことに、その全盛期には多くの社員がこの行事を敬遠したいと考えていた。
1990(平成2)年に日本能率協会が実施した「経営課題実態調査(人事・教育部門)」によると、社員旅行に対する意見は以下のようになっている。
・必要性を感じない:58.2%
・大いに不満でやめたい:7.2%
・満足していないが、こんなものだとあきらめている:28.9%
この調査結果は衝撃的で、94.3%の回答者が社員旅行に否定的または消極的な態度を示していることがわかる。つまり、ほとんどの社員が
「不本意ながら参加していた」
ということだ。
それにもかかわらず、この時代の社員旅行は空前の豪華さを誇っていた。バブル景気の絶頂期、企業はぜいたくな旅行を次々と企画し、費用のほぼ全額を会社が負担して、わずかな自己負担で家族同伴の旅行が可能だった。
1987(昭和62)年には大蔵省(現・財務省)が海外への社員旅行を福利厚生費として認めたことで(それ以前は社員の所得扱いだった)、海外旅行の割合が急増した。しかし、参加者の大多数は「こんな旅行、本当に必要なのか」と疑問を抱いていた。
この矛盾した状況が、バブル崩壊後の急激な衰退を招いた。1991年以降の景気後退に入ると、社員旅行は瞬く間に打ち切られていった。