昭和の風物詩「社員旅行」 令和の今こそ復活すべき? 90年代初頭はなんと9割の会社が実施していた!
社員旅行は、組織の結束力を強化する重要な手段として再評価されている。富士通総研の実験では、昭和の社員旅行が社員同士のコミュニケーションや相互理解に寄与することが明らかになった。しかし、豪華な旅行が必ずしも企業の業績向上につながるわけではなく、企業文化や方針が大きく影響している。現代のビジネス環境において、社員旅行は信頼関係を構築する重要な役割を果たす存在として注目を集めている。
社員旅行消滅の危機

人事労務分野のシンクタンクである産労総合研究所の調査によると、社員旅行の実施率は次のように推移している。
・1992年:99.0%
・1994年:88.6%
・1999年:61.7%
・2004年:36.5%
・2009年:51.6%
・2014年:46.0%
・2020年:27.8%
全盛期に比べ、社員旅行を実施する企業は大幅に減少している。しかし、2020年の調査では、社員旅行を実施している企業のうち52.3%が
「毎年1回」
実施していると回答している。これは、社員旅行が消滅していくなかでも、一部の企業では
「今なお重要な社内行事」
として位置づけられていることを示している。
例えば、「熱烈中華食堂日高屋」を展開するハイデイ日高は、2024年2月期の上半期(2023年3~8月)に過去最高の売上高237億9600万円を記録し(前年同期比35.2%増)、社員旅行などの行事に熱心な企業だ。同社の採用情報には、過去の旅行先として
・伊香保温泉(群馬県渋川市)
・草津温泉(同県草津町)
・熱海(静岡県熱海市)
・勝浦(千葉県勝浦市)
などが挙げられており、昭和の社員旅行の定番ともいえる。
飲食業界が人手不足に悩むなかで、同社は給与面だけでなく、福利厚生を通じて従業員に利益を還元している。また、社員旅行やパーティーを通じて社内のコミュニケーションを円滑にする施策を実施しており、その結果が現在の売上高のアップに寄与していると考えられる。
社員旅行が本当に社員の結束を高め、企業業績の向上につながるかは単純には判断できない問題だ。バブル期には豪華な社員旅行を実施しながら倒産した企業も少なくない。その一方で、個人主義を徹底していたにもかかわらず経営破綻した企業も存在するからだ。