コミュニティーバス崩壊? 高齢者を救うのはもはや「デマンド交通」しかないのか 問われるその真価とは
デマンド交通が注目されている。従来のコミバスの限界を克服し、効率的で環境に優しい地域輸送が実現可能だ。特に高齢者や障がい者の利便性が向上する一方で、運転手不足や予約の煩雑さといった課題も残っている。2024年問題を背景に、デジタル技術を活用した新しい公共交通の形が求められている。
残されている課題

次に、デマンド交通に残されている課題を挙げる。
●人手不足
自動運転技術は進んでいるが、レベル5の完全な実用化にはまだ時間がかかる。研究者のなかには、実用化にはあと20年は必要だと考える人も多い。筆者は最近、岐阜県の北部に位置する高山市の高根エリアでまちづくり協議会が運行するデマンド交通を取材した。この協議会は、地域の運転者を独自に確保する方式を採用しており、高齢者を採用する可能性が高い。しかし、地域をよく知る高齢者や主婦などのパート採用であれば、利用者も安心しやすい。
●予約方式の煩雑さ
筆者はデマンド交通に関わることが多いが、予約方法の内訳を見ると、通常は半数が電話、残りはスマートフォンやパソコンでの予約となる。電話予約はユーザーにとって簡単だが、オペレーターの人件費がかかる。ここを改善したいと考えている。筆者もスマートフォンでの予約トレーニングに参加したことがあるが、約15分で高齢者でもできるようになる。要するに、“食わず嫌い”が問題なのだ。運行主体者が操作マニュアルを作成し配布したり、トレーニングの場を設けたりする初期の努力が必要だ。
●車両面での課題
人材確保の問題と重なるが、今後20年間の人手確保をしっかり考えることがデマンド交通の成否を握る。効率的な運行を展開するためには、3ナンバー以下の小型車を利用するのが理想だ。地域タクシー事業者の車両をうまく活用する計画を立てることが重要である。また、多客が見込めるエリア用に最低限のバス車両を確保し、それ以外はできるだけ小さい車で運行することが大切だ。地域の反対を抑えるために、低公害な車両を選ぶことも合意形成において重要である。