トヨタ「全方位戦略」は本当に最適解だったのか? ヒョンデ・ボルボも相次ぎEV戦略見直し、市場の逆風で考える

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自動車メーカーが次々とEV戦略を見直している。現代自動車は2030年までに555万台の販売を目指している。一方、トヨタはEVの生産を約30%減少させる計画だ。ボルボは2030年までにEVの比率を9割に変更することを発表した。また、EV市場の回復は2030年頃になると予測されている。充電インフラの整備が求められるなか、各社は柔軟に戦略を見直すことが重要とされている。

トヨタのEV戦略、柔軟な修正

トヨタおよびBMWの燃料電池車(画像:BMW)
トヨタおよびBMWの燃料電池車(画像:BMW)

 FCVに関しては、BMWとの水素分野での協業が強化されることが発表された。商用車と乗用車の両方に対応する第3世代燃料電池技術を活用し、乗用車用のパワートレインシステムを共同開発する計画だ。BMW初の量産型FCVは2028年に生産開始の見込みで、両社はそれぞれのブランドの独自性を保ちながら、ユーザーに多様なFCVの選択肢を提供するとしている。

 トヨタ自動車の豊田章男会長は2024年1月、都内での講演会で

「EV市場シェアは最大3割、残りはHVなどで、エンジン車は必ず残る」

と発言し、注目を集めた。この時点ではEV需要の減速の兆候は見られなかった。トヨタはEV需要がそれほど伸びないと予測し、販売が好調なHVを中心にマルチパスウェイを推進していく方針にかじを切ったと思われる。

 そもそも、トヨタのマルチパスウェイは本当に最適解なのか――。

「幅広い選択肢を用意する = 単にリスクを分散しただけ」

という見方もあるが、トヨタは今後もマルチパスウェイを基本にしながらEV戦略を柔軟に変更していくであろう。

 このように、EV需要を短期および中長期にわたって予測し、タイムリーに戦略を見直すことは、変動の激しいEV市場において重要な企業の行動となるだろう。

 充電インフラの整備や手頃な価格のEV普及といった課題が解決されるまで、EV需要が安定して成長するレベルには数年かかると考えられている。この期間中、自動車メーカーは一度掲げたEV戦略や販売目標を柔軟に見直す必要があり、戦略の変更は日常的に起こる可能性が高い。

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