トヨタ「全方位戦略」は本当に最適解だったのか? ヒョンデ・ボルボも相次ぎEV戦略見直し、市場の逆風で考える

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自動車メーカーが次々とEV戦略を見直している。現代自動車は2030年までに555万台の販売を目指している。一方、トヨタはEVの生産を約30%減少させる計画だ。ボルボは2030年までにEVの比率を9割に変更することを発表した。また、EV市場の回復は2030年頃になると予測されている。充電インフラの整備が求められるなか、各社は柔軟に戦略を見直すことが重要とされている。

EVモデル21種への拡充計画

アイオニック5N(画像:現代自動車)
アイオニック5N(画像:現代自動車)

 現代グループの中長期戦略「ヒョンデウエイ」では、主に

・電動車
・ソフトウエア
・エネルギー

に関する各戦略を掲げている。この戦略の目標は、2030年までに世界販売台数を555万台(うちEVは200万台)、連結ベースの営業利益率を10%以上とすることだ。

 電動車戦略の注目点は、HVのラインアップを現在の7モデルから14モデルに拡大することだ。大型車や高級車にも導入し、2028年までには2023年比で約4割増の133万台の販売を目指す。特に、北米でのハイブリッド需要に対応していく。

 さらに、EV需要の減速に対応するため、

「レンジエクステンダーEV(EREV)」

の開発も進めている。EREVはプラグインハイブリッド車(PHV)をベースにしており、エンジンで発電し、駆動力はモーターのみで動く。北米や中国などで10万台以上の販売を目指す。

 EV市場の回復を2030年頃に見込んでおり、EVのラインアップを21モデルに拡充し、EV販売台数目標を200万台とする計画だ。また、米国ジョージア州のEV生産工場を2024年中に稼働開始させ、2026年までに韓国・蔚山(ウルサン)にEV専用工場を建設する予定である。その他の戦略としては、

・ソフトウエア定義車両(SDV)と新モビリティー事業の開発
・AIを基にした製品やサービスの強化
・水素エネルギーの交通以外のさまざまな産業分野での利用

を目指している。

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