世界の学者120人がトヨタ「ミライ」の使用撤回を訴えたワケ しかもパリ五輪直前に

キーワード :
, , ,
パリ五輪でトヨタが水素自動車500台を提供することに対し、120人の学者が電気自動車への変更を求める公開書簡を出した。書簡では、水素自動車の非効率さやCO2排出量の増加が指摘され、環境に配慮した五輪運営を求める動きが注目を集めた。

戦略的だった公開書簡

英国ケンブリッジ大学工学部・デビッド・チェボン教授(画像:SRF)
英国ケンブリッジ大学工学部・デビッド・チェボン教授(画像:SRF)

 CNNの報道によれば、トヨタ・ヨーロッパは水素自動車が世界のネットゼロの未来に貢献できると強調し、水素自動車の使用撤回には応じなかった。

 公開書簡を発表した学者たちは、トヨタが水素自動車の使用を撤回すれば、その汚染度の高さや非効率性を広く知らしめることができたと考えたが、少なくとも彼らの主張が周知される目的は達成された。

 今回の公開書簡は、水素自動車を提供するトヨタではなく、IOC会長やパリ五輪組織委員会宛てに送られた。このことから、書簡の意図はトヨタを標的にして水素自動車の販売を抑制することではなかったと推測できる。

 トヨタ以外にもホンダや現代自動車、BMWなどが水素自動車を開発・生産しているが、トヨタの水素自動車が使用されるパリ五輪が狙われて公開書簡が送られた。書簡に署名した120人の有識者は、水素自動車の普及に歯止めをかけたかったのだろう。

 世界が注目するパリ五輪が戦略的に利用された形となるが、今後もSRFなどが水素自動車に対してどのようなアプローチを行うのか注目していきたい。

全てのコメントを見る