世界の学者120人がトヨタ「ミライ」の使用撤回を訴えたワケ しかもパリ五輪直前に

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パリ五輪でトヨタが水素自動車500台を提供することに対し、120人の学者が電気自動車への変更を求める公開書簡を出した。書簡では、水素自動車の非効率さやCO2排出量の増加が指摘され、環境に配慮した五輪運営を求める動きが注目を集めた。

「グリーン五輪」への疑念の声

IOC会長などに送られた公開書簡の一部(画像:SRF)
IOC会長などに送られた公開書簡の一部(画像:SRF)

 公開書簡は、トーマス・バッハ(IOC会長)やパリ五輪組織委員会の会長宛てで、ccにはパリ市長も含まれていた。パリ五輪は「五輪史上で最もグリーンな大会」を掲げ、地球温暖化ガスの実質排出量を2010年代と比べて半減することを目指していた。しかし、この書簡は、トヨタが推進する水素自動車が

「ネットゼロ(温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすること)」

とは科学的に合致せず、

「パリ五輪の評判を傷つける」

ものだと指摘していた。

 CNNの報道に先立って、英国のケンブリッジ大学やウェストミンスター大学などの研究グループが関与する持続可能な道路貨物輸送センター(SRF)は、公式ウェブサイトで公開書簡を掲載した(2024年7月8日付)。

 SRFは2013年に設立され、道路貨物輸送の環境持続可能性を向上させることを目的とする研究機関だ。公開書簡の筆頭署名者であるケンブリッジ大学のデビッド・チェボン教授は、SRFのエグゼクティブチームの一員であり、ディレクターも務めている。チェボン教授は、水素自動車が環境に与える悪影響をユーチューブなどで発信しており、今回の書簡を主導した。

 書簡では、主に水素自動車はバッテリー式電気自動車(BEV)と比較して3倍程度の電力を必要とし、非効率的で相当量のCO2を排出すると主張している。このほかにも、トヨタの水素自動車使用の撤回を求める理由として、

・旅客輸送の脱炭素には、BEVが最も効果的であり、水素自動車は真の解決策にならない。
・水素の99%は化石燃料から製造されており、化石燃料由来の水素を使用する水素自動車は、ガソリン車よりも3割から5割ほどCO2の排出量を増加させる。
・価格が高く、水素燃料が希少であるため、水素自動車はネットゼロの有効な解決策にならない。
・東京五輪でも水素自動車が使用されたが、水素燃料のコストや供給設備の課題から成功しなかった。

といった点が挙げられている。

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