海自「潜水手当不正受給」の深層! 元中級幹部が語る“偽装報告文化”の闇とは
海上自衛隊の潜水手当不正受給問題は「メイキング文化」が根底にあり、多数の懲戒免職者を生んでいる。実際の潜水を偽装し、訓練の手間を回避するために金銭的利益を追求する悪質な慣行が蔓延し、責任回避が続いている。
手当の辞退はできない

ただし、その場合には潜水手当の問題が生じる。飽和潜水では比較的高めの手当が出る。民間海洋土木の潜水作業単価と比べると少額だが自衛隊内では破格である。
本来なら辞退しなければならない。飽和潜水の心身負担、危険、苦痛、拘束と引き換えである。潜水作業がなければ手当もないからである。
ただ、辞退すると不都合が生まれる。
まず手当不受給はメイキングの白状に近い。年間の業務計画が未達成であり潜水員としての資格維持の基準を満たしていない、それが事実なのだが、それを疑われてしまう。
また、予算配分とも衝突する。行政機構の習性として潜水手当を使い切らなければならない。実際に、翌年度以降の要求や配分にも影響する。実働時の潜水手当が足りなくなる事態も生じうるのである。
だから不正受給に至ったのである。手当がほしくて不正受給したのではない。それならば訓練を実施すれば済む。そうではなく
「訓練の面倒」
が先にあってメイキングでごまかした。その偽装を完成させるには手当も受給しなければならない。
つけ加えれば、事実上の強制でもある。ひとりが「不正受給となるので辞退する」といっても通用しない。それにより同僚の不正受給が疑われる。下士官兵の世界ではそれは許さない。