ソウル市の「水上バス」10月に再出発! セウォル号の悪夢を乗り越え、交通革命は実現するのか

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ソウル市は交通渋滞と混雑を緩和するため、10月に新しい水上バスを運行開始予定。このバスは市内の主要な七つの船着き場を結び、54分で移動できるが、冬の寒さやアクセス改善が課題となっている。

船の運行と気象影響

水上バスの停留所イメージ(画像:ソウル市)
水上バスの停留所イメージ(画像:ソウル市)

 公共交通では、アクセスのよさと定時運行が重要だ。しかし、船の運航は気象条件の影響を受けやすく、素人でもそのことは理解できる。強風や大雨、冬の寒波では運行ができなくなることが多い。ソウル市では冬に氷点下10度以下になることも珍しくなく、このような変動がある交通手段を市民が通勤・通学時に利用するのには抵抗があるかもしれない。

 さらに、船着き場までのアクセスが悪いため、バス路線の調整や、公共自転車を15から30台用意し、船内に自転車を設置する計画がある。しかし、猛暑や極寒のなかでわざわざ自転車をこいで船着き場まで行く人がどれほどいるだろうか。

 筆者(ジーナ、旅行ライター)の推測だが、船舶運航の安全に対する不安の声が一番多いと思う。韓国では、2014年に発生したセウォル号沈没事故で299人が亡くなったことが今も記憶に残っている。この事故は海で起きたものだが、船と聞けばこの事故を思い浮かべる人は多いだろう。

 船舶運航では、電車よりも安全管理の人材を配置し、運航従事者に安全教育を行い、定期的および随時の安全点検を行う必要がある。また、漢江警察隊、救助隊、海洋警察庁などとの緊急対応訓練を通じて、有事には迅速に対応できる体制を整えなければならない。

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