ソウル市の「水上バス」10月に再出発! セウォル号の悪夢を乗り越え、交通革命は実現するのか

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ソウル市は交通渋滞と混雑を緩和するため、10月に新しい水上バスを運行開始予定。このバスは市内の主要な七つの船着き場を結び、54分で移動できるが、冬の寒さやアクセス改善が課題となっている。

水上バス、時間短縮を実現

漢江リバーバス停留所(画像:ソウル市)
漢江リバーバス停留所(画像:ソウル市)

 2024年10月から、マゴクからチャムシルまでの七つの船着き場を結ぶ水上バスが運行される。

・出勤時間帯:朝6時半から9時まで
・帰宅時間帯:夕方18時から20時半まで

は15分間隔で、それ以外の時間帯は30分間隔で運行し、

・平日:68回
・週末:48回

の片道運航が行われる。船の大きさは長さ35m、幅9.5mで、一度に199人が搭乗できる。平均速度は17ノット(時速31.5km)、最大速度は20ノット(時速37km)だ。

 通常、電車でマゴクからチャムシルまでの所要時間は約65分だが、車の場合は混雑していなくても76分かかる。この水上バスは、七つの停留所に止まる普通便で75分、三つのみ止まる急行便で

「54分」(電車の17%減、車の29%減)

で到着する。

 運賃は3000ウォン(約330円)で、地下鉄の2倍の料金だが、気候同行カード(1か月約6800円でソウル市の地下鉄・バス乗り放題)が適用されるため、乗り放題となる。

渋滞知らずの快適移動

チャムシル側の漢江。筆者撮影(画像:ジーナ)
チャムシル側の漢江。筆者撮影(画像:ジーナ)

 最大のメリットは、交通渋滞に巻き込まれることなく移動できる点だ。全席が指定席で、テーブルも設置されているため、船内のカフェテリアで購入した飲食物も楽しめる。

 他の交通手段と比べて非常に利便性が高い。また、移動中は漢江の美しい景色や夜景を楽しむために、パノラマの窓も取り付けられている。

 船着き場には、コンビニ、カフェ、飲食店などの施設や、乗客用の待合室も設ける。待合室や漢江リバーバスの船内には、リアルタイムで漢江リバーバスの現在位置や到着時間がわかる情報案内端末も設置される予定だ。

 ソウル市を代表する環境に優しい交通手段として、ハイブリッド船舶はディーゼルエンジンよりも約48%少ない二酸化炭素を排出する。

 10月に2隻が就航し、その後、年内にさらに6隻が就航する予定だ。その後は、徐々に運航台数を増やしていく計画になっている。

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