EVの「大型化」はなぜ環境に悪いのか? しかも都市部の事故リスク「3倍以上」 解決策は日本にあるかもしれない
EVの大型化が「モビシティ」として問題視され、環境負荷や歩行者リスクの増加が指摘されている。2022年にはe-SUVが世界のEV販売の35%を占め、リチウムやコバルトの需要も増大。都市部ではEVの歩行者へのリスクがICE車の3倍とされ、小型化が急務。日本の軽自動車規格が新たな解決策となる可能性もある。
都市部の事故リスク3倍以上

モビシティ問題の最大の懸念は
「車両のサイズ」
である。人命に直結する交通事故のリスクが車体の大型化で一気に高まるのである。
2024年5月に「Epidemiol Community Health」で発表されたロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究は、都市部と農村部の環境におけるハイブリッド車(HV)を含むEV(E-HE車)とガソリン車(ICE車)による歩行者の負傷リスクを調査、検証している。
研究チームがE-HE車と ICE車による2013年から2017年にかけての1億6000万kmの移動あたりの死傷者率を計算して推定したところ、
・E-HE車:5.16人
・ICE車:2.40人
と大きな差が開いた。
「車両の歩行者への接触」
の可能性が E-HE車では2倍以上高いことが示されたのである。
さらにポアソン回帰分析では、E-HE車が郊外の環境でより危険であるという証拠は見つからなかったが、“都市環境”ではE-HE車が ICE車両の
「3倍以上危険」
であるという確かな証拠が見つかったのだ。
都市環境において、E-HE車はICE車よりも歩行者に対して大きなリスクをもたらすことが示されたということは、車体のサイズが大きくなれば当然だがその危険はさらに高まることになる。
EVのほうが危険な理由は今のところは不明だが、研究者の見立てでは、EVのドライバーは
・若く経験が浅い傾向がある
・ガソリン車よりも静かなので特に市街地では歩行者に気づかれにくい
ことが挙げられている。
一般的に車幅が広くになるほど運転がしにくく感じられるのだが、これが都市部であればなおのこと取り回しに難が生じ、その結果接触事故のリスクが高まることは明らかだ。