車線幅「1台分」のスリリング! 「東京の幹線道路」はなぜあんなに狭いのか
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東京の幹線道路は狭く、特に甲州街道や井の頭通りでは車線幅が極端に狭い。歴史的な背景と現状の交通量が絡み、道路拡張は困難。新しいバイパスの開通や高速道路の活用が期待されるが、狭い道を走る際は車間距離を広め、慎重な運転が求められる。
車線の幅が狭すぎる東京
日本全国の道路を走ってきたが、東京の幹線道路はかなり走りにくい。その最大の理由は、1車線の幅が狭すぎることだ。まさに“初見殺し”といっても過言ではない。
東京の道路は基本的に交通量が多いことも相まって、他地域の道路は走るが、東京の道路は
・走りたくない
・走らない
という人がいる。とはいえ、魅力的な場所も多いので、走らないのはもったいない。
というわけで、今回は
・東京の道路が狭い理由
・その対策
・今後の展望
について“ズバリ”指摘していこう。
甲州街道と井の頭通りの狭さ
東京の幹線道路で特に車線の狭い道路といえば、
・甲州街道
・井の頭通り
が思い浮かぶ(もちろん全線ではない)。
甲州街道は江戸時代に整備された五街道のひとつで、現在は国道20号線に引き継がれている。国道20号は東京・日本橋を起点に長野県塩尻市まで、総距離約230kmを走る。
日本橋から首都高と中央自動車道が接続する高井戸インターチェンジ(IC)付近までは、片側2~3車線で車線幅もある程度広い。しかし、西の調布市~府中市~府中市~国立市~立川市の日野橋までの区間は車線幅が極端に狭くなる。
具体的には、普通車1台がギリギリ納まる車線幅である。ちなみに、山梨県甲府市周辺の国道20号線は片側2車線で、車線幅は普通車1.5台分以上あるので、同じ国道20号線でも東京と山梨の違いがよくわかる。
井の頭通りは、東京の渋谷駅周辺から武蔵野市の境浄水場までを結んでおり、明治神宮や永福町・吉祥寺駅前などを通過する。
区間によって車線数や車線幅が異なるが、特に走りにくいのは甲州街道と接続する松原交差点から吉祥寺駅前の区間である。この区間は基本的に片側1車線か2車線なのだが、片側2車線の幅は普通車1台がギリギリ通れる幅しかない。