会社発足後、着実に成長してきた関連事業【短期連載】リニアはさておき(3)
JR東海の関連事業は、流通業や不動産業など多岐にわたるが、営業収益は運輸業に圧倒的に依存。2023年度の関連事業収益は約5000億円で、コロナ影響で流通業が減少。JR東日本の1兆円超えと比較すると地域経済の差が明らかで、JR東海は長期債務返済に注力し、慎重な関連事業運営をしている。
本州JR3社を比較

ここではまず、2023年度における関連事業の営業収益について、JR東海とJR東日本、JR西日本を比較してみよう。
●JR東海
・流通業:1606億円
・不動産業:832億円
・その他:2552億円
・合計:4990億円
●JR東日本
・流通・サービス事業:3635億円
・不動産・ホテル事業:4097億円
・その他:2231億円
・合計:9963億円
●JR西日本
・流通業:2017億円
・不動産業:2349億円
・旅行・地域ソリューション業:2092億円
・その他:875億円
・合計:7333億円
こうしてみると、関連事業だけで1兆円近くを叩き出しているJR東日本が
「異様」
としか思えなくもない。とはいえ、コロナ前の2019年におけるGDPの都道府県別シェア、
・東京・神奈川・千葉・埼玉:約34%
・愛知・岐阜・三重:約10%
・大阪・京都・兵庫:約13%
からすると、やはり関東圏の経済規模が異様に大きく、JR3社の関連事業の収益は地域の経済規模を反映した結果といえる。
JR東海とJR西日本を比較すると、大きな差異は
「不動産業」
にある。JR他社の不動産業の収益動向や、同じ名古屋を本拠地とする名古屋鉄道の不動産事業の営業収益(2023年度)が1000億円を超えていることからすると、JR東海にも不動産セグメントの伸び代があるように思える。
しかしながら、東海道新幹線で十分稼げていることや中央新幹線プロジェクトをかかえている現状では、あえて不動産事業に収益を求める必要性がないのかもしれない。