宇都宮LRT「西口延伸」は本当に成功するのか? 開業約1年で振り返るべき、「富山ライトレール」があまり活性化につながらなかった3つの理由とは

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「芳賀・宇都宮LRT」は宇都宮市の発展を加速させ、開業から半年で37万人が利用、地価も上昇している。今後の成功のカギは、中心市街地の魅力を向上させ、郊外の商業施設との差別化を図ることだろう。

駅近地価が4.2%上昇

芳賀・宇都宮LRT(画像:写真AC)
芳賀・宇都宮LRT(画像:写真AC)

 2023年8月に開業した次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT」は、開業からわずか半年で街の様相を一変させ始めた。JR宇都宮駅東口と芳賀・高根沢工業団地を結ぶ14.6kmの路線は、予想以上の効果を生み出している。

 現状明らかになっているデータを見ると、LRTは好調だ。開業半年で利用者数は当初予測の約31万2400人を上回り、6か月目(2024年1月26~2月25日)には

「約37万人」

となっている。累計乗客数は7月2日に400万人に到達している。

 不動産市場への影響も顕著だ。栃木県の公表した2023年の基準地価を見ると県内の最高価格は駅東公園前停留所近くの「宇都宮市東宿郷3の3の16」の14万9000円で、前年から

「4.2%」

上昇。2位も同停留所付近の「宇都宮市元今泉5の7の14」で、4.0%上昇の13万1000円となっている。

 栃木県内の商業地の平均価格は6万7700円だが、JR宇都宮駅東口に面した「宇都宮市東宿郷1の4の14」は40万1000円となっている(3.1%増)。JR宇都宮駅東側では6階建て以上の建築申請が急増し、2018~2022年度には22件に達した。これは前5年間と比べて6件の増加である。

 マンション販売も好調で、販売開始から、からわずか3か月で完売するマンションも出ている。地元だけでなく、首都圏からの購入者も目立つという。観光面でも効果は顕著で、2023年の観光客数は

「1271万人」

を記録し、前年比18%増を達成した。

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