会社発足後、着実に成長してきた関連事業【短期連載】リニアはさておき(3)
関連事業の概要
リニア中央新幹線の静岡工区をめぐる政治的な論争や、「国商」「最後のフィクサー」と呼ばれた名誉会長・葛西敬之氏(2022年没)などの影響もあり、JR東海は多くの人にとって複雑なイメージを抱かせる存在かもしれない。しかし、一般の人たちが本当に知りたいのは、創業以来の長い歴史に刻まれた、同社の鉄道事業の成功と未来への壮大なビジョンではないか。本連載「リニアはさておき」では、創業から現在に至るまでの歴史を掘り下げ、鉄道事業の神髄を探っていく。
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今回は、JR東海の関連事業について話をしよう。
JR東海の関連事業は、経営理念のなかでは在来線とともに“社会基盤”と位置付けられている。将棋の駒でいえば、
・新幹線:王将
・在来線と関連事業:飛車と角
のようなイメージとなる。
関連事業は、流通業、不動産業、その他に分けられている。流通業は、百貨店事業を営むジェイアール東海高島屋や、車内や駅構内における物品販売を行うJR東海リテイリング・プラスが該当する。
不動産業では、駅ビル等の不動産賃貸事業のジェイアールセントラルビル、新横浜ステーション開発のほか、不動産開発事業や住宅事業を営むジェイアール東海不動産がそうだ。
その他には、アソシアブランドを中心にホテルを運営するジェイアール東海ホテルズ、旅行業のジェイアール東海ツアーズ、広告業のジェイアール東海エイジェンシーのほか、鉄道車両製造を行う日本車両製造、鉄道関連の業務を担うジェイアール東海建設、東海交通機械などがある。
ちなみに、高速バスや貸切バス事業を営むジェイアール東海バス株式会社は、運輸業セグメントに含まれている。