会社発足後、着実に成長してきた関連事業【短期連載】リニアはさておき(3)
JR東海の関連事業は、流通業や不動産業など多岐にわたるが、営業収益は運輸業に圧倒的に依存。2023年度の関連事業収益は約5000億円で、コロナ影響で流通業が減少。JR東日本の1兆円超えと比較すると地域経済の差が明らかで、JR東海は長期債務返済に注力し、慎重な関連事業運営をしている。
関連事業より長期債務返済を優先

JR東海の事業の中心はあくまでも東海道新幹線であり、その先にある中央新幹線だ。中央新幹線の一元経営に漕ぎ着けるためには、1991(平成3)年に新幹線買取で生じた
「5.1兆円」
という長期債務を解消しなければならなかった。
新幹線買取で生じた1号債務は変動金利であったが、2号債務は6.35%、3号債務は6.55%であり、1991年時点における平均金利は6.53%と、超低金利になれた現在からすると当時設定された金利は非常に高かったといわざるをえない。
また、支払利息だけで3000億円を超えた年度もあるくらいだ。であれば、リスクが残る関連事業に手を出すよりも長期債務を着実に返済するほうが、会社にとって確実かつ有利なことは自明の理だろう。
東海道新幹線の競争力強化に投資しつつ収益を上げて、かつ長期債務を少しでも多く返済するという使命に全振りした結果、1号債務約3.4兆円および2号債務約1.5兆円を2017年3月末に支払い終えた。
そのような背景のなか、関連事業へは必要最低限の投資にとどめたのは仕方がなかったといえる。それでもJRセントラルタワーズ、JRゲートタワーと大規模開発を行い、関連事業の収益をあげていったのだ。東海道新幹線を中心とした堅実かつブレない経営のなかにあってあまり目立たないものの、関連事業の健闘は評価されてもいい。
次回は、最終回としてJR東海の将来展望について触れてみたい。