タワマンはもういらない? まだ必要? 建てて「いい場所」「悪い場所」をじっくり考える
タワーマンションの建設は地域社会に複雑な影響を与える。コミュニティー形成の困難やインフラ対応の課題がありながらも、商業施設の増加などのプラス面もある。適切な計画と調整が重要だ。
適切なタワマン立地の条件

さて、ここまでの議論を踏まえて、タワマンの立地適性について次の提言をしたい。タワマンの立地適地としては、
・既存の高層ビル群がある地域
・産業構造の変化により遊休化した大規模工場跡地
などが挙げられる。都市化が進み、高層ビルが立ち並び、周辺環境に溶け込みやすい。インフラも整備しやすく、経済効果も期待できる。何より、既存住民の反対が起こりにくい。
一方、避けるべき立地は、
・歴史的景観や文化的価値のある地域
・自然環境や景観が重要な観光資源となっている地域
・既存のコミュニティーが強く低層住宅が中心となっている地域
である。こうした場所では、タワマンの建設は既存の価値観や環境と対立し、地域社会に緊張をもたらす可能性が高い。
10年、30年という“時間軸”で短中期的なにぎわいを考えた場合、タワマンのプラスの影響は大きい。ファミリー世帯が増え、子どもの成長にともなってさまざまな店舗や行政サービスが充実するからだ。
しかし、今後50年、100年という長期的な影響については慎重に考慮しなければならない。各地のニュータウンがそうであるように、次の世代が同じ地域に住まなくなり、過疎化が始まる可能性もある。