タワマンはもういらない? まだ必要? 建てて「いい場所」「悪い場所」をじっくり考える

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タワーマンションの建設は地域社会に複雑な影響を与える。コミュニティー形成の困難やインフラ対応の課題がありながらも、商業施設の増加などのプラス面もある。適切な計画と調整が重要だ。

タワマン住民と地域の摩擦

タワマン(画像:写真AC)
タワマン(画像:写真AC)

 そうしたなか、近畿大学の佐野こずえ氏による「タワーマンションの現状と将来的課題 大阪府と兵庫県の動向からみて」(『マンション学』第69号)は、この問題に貴重な洞察を提供している。佐野氏はタワマンがもたらす影響を、次のように記している。

●コミュニティー形成の困難
 さまざまな属性の居住者がいるため、タワマン内外でのコミュニティー形成が難しくなる。

●インフラ対応の課題
 同世代の世帯が短期間に増減することで、地域インフラ対応が困難になる可能性がある。

●災害時の問題
 高層階居住者の避難所不足が懸念される。

 これらの問題のなかでも、特にコミュニティー形成の課題は重要である。既存の住民にとって、タワマン住民は

・新参者
・一時的な住民

と見なされがちだ。一方、タワマン住民も“地域の慣習”に違和感を覚えることがある。

 例えば、筆者が最近SNSで見つけた新築タワマンの自治会のアカウントでは、地域の氏神さまを祭る神社の費用を自治会費に含めることに疑問を呈していた。東京都心部であれば月額数百円程度であろうが、このような問題を提起すること自体が地域住民とのあつれきにつながりかねない。

 タワマン建設は単なる住宅供給の問題ではなく、地域社会のあり方に深く関わる問題だ。こうした影響については、今後より詳細な調査や議論が必要であろう。

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