港区「ちぃばす」に乗って小旅行! 9つのルートが織りなす都心の散歩ルートとは【連載】町バスに乗って(7)
港区を中心に走るちぃばすは、歴史ある九つのルートを通じて地域を結び、特に散歩や観光に便利だ。利便性と地域密着型のサービスが評価されている。
印象深い男性の言葉

筆者がちぃばすを初めて見かけたのは、赤坂から青山に向かう246号線を歩いているときだった。
「かわいいバスが走っているな」
と思って見ていたら、目の前のバス停に止まった。そのときは乗らなかったが、ルートを調べて、今度乗ってみようと思った。
日は流れて、赤坂かいわいを散歩しているとき、ちぃばすを再度見かけた。特にどこに行くか考えずに取りあえず乗ってみたところ、港区をぐるりとまわったので、六本木ヒルズで降りた記憶がある。とても便利だと思い、それ以来愛用している。
そもそもちぃばすが運行されるようになったのは、都営大江戸線が開通し(2000年12月全線開通)、都営バスが廃止されて不便になったことがきっかけだった。新宿方面から新橋方面に向かう都営バスに当時乗ったが、麻布十番あたりを走っているときに、隣に座っていた初老の男性が
「地下鉄ができるから、このバスも廃止されるんだ」
と声をかけてきたことを思い出す。
「便利になっていいですね」
と返すと、
「しかし、バスがなくなるのは困るね」
といっていたのが印象的だった。当時は知らなかったが、自分自身が高齢(1958年生まれ)になってみて、鉄道よりも道路を走るバスの方が便利だと思うようになった。