廃線跡の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(7)

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1980年代の国鉄末期に多くの貨物専用鉄道が廃止されたが、現代のトラックドライバーやバスドライバー不足を背景に、鉄道貨物の重要性が見直されている。

消えた貨物鉄道の痕跡」

北海道電力江別火力発電所専用線跡地に残された石炭車。筆者撮影(画像:櫛田泉)
北海道電力江別火力発電所専用線跡地に残された石炭車。筆者撮影(画像:櫛田泉)

 国鉄時代末期の1980年代まで、日本には国鉄駅から工場などに向かう貨物専用鉄道が分岐する駅や、地方の私鉄路線に接続する駅が数多くあった。

 これらの貨物専用鉄道のほとんどは、1987(昭和62)年の国鉄分割民営化までに姿を消し、地方私鉄路線の多くも1970年代以降、日本の高度経済成長にともなうモータリゼーションの波に飲み込まれ、鉄道としての役割を終えて廃線となった。

 その痕跡は今でも地図上ではっきりと確認できるものが多く、筆者(櫛田泉、経済ジャーナリスト)は日本各地を旅する際、そうしたかつての鉄道の痕跡を探すのを楽しみにしている。

 ということで、本稿では、筆者が廃線跡を「やばい!」と思う四つのポイントについて解説する。

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