日本の「バス運賃」は安すぎる、だから即値上げすべき! というのは単なる暴論だ【リレー連載】ビーフという作法(1)
WEB CARTOPの2023年11月7日付け記事は、路線バス存続には運賃値上げが必要だと主張。しかし、日本の生活者は高い運賃に消極的である。ロンドンやニューヨーク並みの運賃は不可能で、利用者減少の懸念がある。
「安すぎる日本の運賃」という意見

本連載のタイトルは「ビーフという作法」である。「ビーフ」とは、ヒップホップ文化における対立や競争を指す言葉で、1984年のウェンディーズのCMで使われた「Where’s the beef?(ビーフはどこだ?)」というキャッチコピーがその起源だ。この言葉は相手を挑発する意図で使われたが、後にヒップホップの世界で広く受け入れられた。本連載もその精神を受け継ぎ、モビリティ業界におけるさまざまな問題やアプローチについて率直に議論する場を提供することを目的としている。ほかのメディアの記事に対してリスペクトを持ちながらも、建設的な批判を通じて業界の成長と発展に貢献することを目指す。
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WEB CARTOPが2023年11月7日、「もはや運賃の値上げだけが「路線バス」存続の有効策! 反対派も知るべき「安すぎる」日本のバス運賃」という記事を配信した。
この記事を要約すると、近年、廃止や減便される路線バスが増加している。世界的に見ても日本のバス運賃は安く、採算が厳しい。大都市圏のような均一運賃区間を見直し、区間制運賃を導入するなど、運賃体系の見直しが必要である――というものだ。
その一例として、
・ロンドン:約320円
・ニューヨーク・ロサンゼルス:約435円
であり、日本より高い水準にあることを説明、日本の値上げに言及している。本稿では、この記事を三つの観点から建設的に批判したい。