EV市場に垂直統合型で挑戦、日本100店舗計画とグローバル展開【短期連載】進撃のBYD(4)

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BYDは、独自の垂直統合型と電池技術を武器に、世界中で急速に市場を拡大している。日本では2025年末までに100店舗、タイでは年間生産能力15万台の工場、欧州8か国での展開を目指している。インドでは2030年までに40%の市場シェア獲得を目指す。

BYDのテック開発進展

BYDの発売した自動車(画像:BYDジャパン)
BYDの発売した自動車(画像:BYDジャパン)

 中国の電池メーカーが驚異的な成長を遂げ、世界最大の電気自動車(EV)メーカーとなった比亜迪(BYD)。その飛躍的な躍進は世界に衝撃を与えた。同社の創業者・王伝福氏は卓越した洞察力とユニークな経営手腕を発揮し、この成長を導いた。同社は、電池事業で培った「人とテクノロジーの融合」の生産方式を武器に自動車業界に参入。2005年に発売した「F3」は瞬く間に中国市場を席巻。各国の政府の後押しもあり、急成長を遂げた。本連載では、BYDの急成長の要因を分析し、その実力を明らかにしていく。

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 BYDの海外進出は激しい勢いで展開している。日本国内に限っても、2024年3月時点で51店舗(開業準備室を含む/うち正規ディーラー22)の販売拠点設置しており、2025年末までに100店舗まで拡大するとしている。「ありかも、BYD!」というテレビCMを目にする機会も増えた。

 現在、同社はEVメーカーとしてよく知られているが、テック系での技術開発も進んでいる。現在、台湾の鴻海(ホンハイ)が製造しているグーグルのスマートフォン「Pixel」のベトナム生産にBYDが関心を示しているという情報もある。

 BYDの強みは、創業以来、電池の分野で競合他社に圧倒的な競争力を誇ってきたことだ。ここで培われた技術力は、海外市場を制覇するための武器となっている。

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