中国BYDの“本質”を理解できるのは「若者」であり、年配者ではない
BYDヒットの本質は価格ではなく、EVならではの運転の楽しさにある。いったいなぜか。
利益は前年比3倍超
中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)の業績が好調だ。8月28日に発表された2023年1~6月期決算によると、売上高は前年比73%増の2601億2000万元(約5兆2500億円)、利益は3倍超の109億5000万元(約2212億円)だった。
これには自動車部門だけでなく、電池事業やスマートフォンの受託生産事業も含まれているが、自動車部門が大幅な成長に貢献した。
BYDの勢いは1社の業績だけに止まらない。2023年には、ついに中国が自動車輸出台数で日本を抜くかもしれないという衝撃的な観測にもつながっている。
日本では、BYDはまだ本格的な納車を開始したばかりで、販売網も発展途上にある。しかし、内燃機関を搭載しないEVに特化しているため、従来とは異なる販売網を迅速に構築できる。
実際、BYDジャパン(神奈川県横浜市)は2024年末までに100の営業拠点を持つとしており、日本ではすでに、自動車部品の専門商社である明治産業(東京都港区)が協業を発表している。
しかし、筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)はあえてBYDの魅力は「EVならではのFun to Drive」に満ちていることだと主張したい。