EV市場に垂直統合型で挑戦、日本100店舗計画とグローバル展開【短期連載】進撃のBYD(4)

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BYDは、独自の垂直統合型と電池技術を武器に、世界中で急速に市場を拡大している。日本では2025年末までに100店舗、タイでは年間生産能力15万台の工場、欧州8か国での展開を目指している。インドでは2030年までに40%の市場シェア獲得を目指す。

中国勢との競争激化

2024年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2024年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 BYDの国際的な拡大戦略の中心は、独自の垂直統合型に基づく競争優位性である。BYDは電池メーカーとして、長年培ってきた技術をEVの開発に応用してきた。しかし、後発というハンディキャップを克服するためには、社内の学習と人材育成に一層注力する必要があろう。

 特に、グローバル市場で通用する人材の獲得・育成は喫緊の課題である。また、垂直統合型の弊害を回避するためには、外部パートナーとの連携を柔軟に取り入れることが不可欠である。グローバル化のさらなる深化とブランド力の向上が、BYDが世界一のEVメーカーを目指す試金石となる。

 テスラなど欧米勢やニオなど中国勢との競争が避けられないなか、垂直統合型で成長してきたBYDはどう対応するのか。同社の将来は、EV市場の覇権を狙う中国の将来とも絡んでくる。

「ありかも、BYD!」は今後どうなるのか。「超ありかも」か、それとも「なしかも」か。これからも同社の動きから目が離せない。

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