みちのりHD、DXとグループ化で経営改善を目指す【短期連載】希望という名の路線バス(2)
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路線バス事業者は新型コロナ禍で96%の赤字に陥ったが、みちのりHDはグループ化とDXを活用し効率化を図り、経営を立て直している。地域交通の未来を切り開く鍵は意思疎通、合意、協力である。
貨客混載バスの先駆者

岩手県北自動車は、路線バスでの貨客混載のパイオニア的存在である。2015年、岩手県北自動車は、日本初の貨客混載バスをスタートさせた。これは、同社とヤマト運輸のコラボレーションによるものだった。
当時、路線バス事業者は過疎化やモータリゼーションによる利用者減少に苦しみ、宅配便はドライバー不足に悩まされていた。これらの問題を同時に解決する方法として、貨客混載を推進することにしたのだ。座席11席分を荷台とし、側面に荷物専用扉を設置するなど、本格的な貨客混載バスとして注目を集めた。
今では、貨客混載バスはごく一般的なものとなっているが、それを実現させた人々のパイオニア精神と実行力は素晴らしい。新しいバスでいかに利益を上げるかを社会に提示した意義は大きい。
同社は、傘下企業による高速バスの運行に「みちのりエクスプレス(MEX)」という共通のブランド名を打ち出している。各社が、人気デザイナー・川西康之氏デザインの同じ塗装を施した車両を導入し、社会への浸透を図っている。
電気バスの未来

筆者(西山敏樹、都市工学者)は、今後増加が見込まれる電気バスの整備に注目している。エンジン車両ではない電動車両の整備能力やノウハウは、必ず有効に働くからだ。
電気バス車両の整備要員をゼロから育成するには多大なコストがかかり、バス事業の経営をさらに悪化させる可能性もある。
みちのりHDのように、鉄道会社も傘下におさめれば、鉄道とバスの整備の連携も期待できる。この点からも、公共交通のグループ経営のメリットは明らかだろう。
ほかにも、傘下での異業種交流の可能性も考えられる。