みちのりHD、DXとグループ化で経営改善を目指す【短期連載】希望という名の路線バス(2)

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路線バス事業者は新型コロナ禍で96%の赤字に陥ったが、みちのりHDはグループ化とDXを活用し効率化を図り、経営を立て直している。地域交通の未来を切り開く鍵は意思疎通、合意、協力である。

DX技術で進化する茨城交通

呼出型最適経路バス「MyRideのるる」(画像:茨城交通)
呼出型最適経路バス「MyRideのるる」(画像:茨城交通)

 新しい交通システムの構築の一例として、茨城県高萩市における茨城交通の呼出型最適経路バス「MyRideのるる」の運行がある。

 従来の路線バスが採算性を欠くようになった主な理由のひとつは、固定ダイヤ方式で、乗客数に関わらず決められたダイヤに従って決められた本数で運行しなければならないという点である。

 朝夕のラッシュ時の路線バスの信頼性を確保するという観点では、ダイヤ方式に問題はない。しかし、日中は買い物や通院など、免許を持たない高齢者などの輸送が中心であり、ニーズは限られている。

 そこで茨城交通は、日中に呼出型最適経路バスを導入した。これは、生活者のリクエストに基づいて、人工知能がバスのルートと車両運行スケジュールを最適化するシステムだ。希望者は、専用アプリ「MyRideのるる」や電話で出発地と目的地を伝えると、他の利用者の予約状況や道路の混雑状況などを考慮し、人工知能が最適なルートと運行スケジュールを生成する。

 既存のバス停に加え、システムの地図には多くの“バーチャルバス停”がきめ細かく設定されている。乗降できるミーティングスポットも増え、利便性が向上した。高萩市の場合、朝と夕方・夜間の時間帯は路線バス、日中は呼出型最適経路バスを乗り継ぐ仕組みで運行されている。まさにDX技術と路線バスの融合事例だ。この柔軟な運行形態により、ドライバー1日あたりの輸送数が増加する。まさに生産性の向上だ。

 重要なのは、このようなDXの波及効果によるスケールメリットが発揮されることだ。グループ内でのノウハウ共有により、DXを活用した柔軟な運行が実現し、経済的なメリットがもたらされる。また、このようなノウハウがグループ内で水平展開されていくことも注目に値する。

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