「クルマは一流、運転マナーは三流」 そんな日本にとって、生活道路“時速上限30km”は福音となるのか?
警察庁は、2026年9月から生活道路の制限速度を時速30kmに引き下げることを決定した。生活道路は地域住民が日常生活で利用する道路であり、歩行者や自転車の安全が優先されるべきである。
「クルマ」の側に問題はないのか

1991(平成3)年の東京モーターショーで、道路の速度制限標識を読み取り自動的にスピードを抑制するコンセプトカーを某メーカーが出展した。この時期にバブル経済の背景もあってクルマの大型化・高性能化が進み重大事故が急増した背景がある。
しかしそれから30年以上たち、当時よりセンサーや情報処理の能力が桁ちがいに向上していながら、この程度の機能すら実現していない。せめて一般道では
「法定速度以上が出ないようにするくらいの制御」
はできないのか。現時点でこの状態では一般道での自動運転などとうてい見込みはなかろう。
2019年4月に、一度に11人の死傷者を発生させた東池袋暴走事故が発生し、現在に至るまで社会的に強い関心を集めている。衝突時には100km近い速度が出ていたと推定されている。また2022年1月の福岡市東区でのタクシーによる歩行者死亡事故では120kmと推定されている。
東池袋の事故では、当時87歳のドライバーに非難が集中し、同時に高齢ドライバーの問題がクローズアップされた。後日の裁判で加害者側がブレーキの不具合の可能性を主張したのに対して、メーカーは否定している。ブレーキの部分だけに注目すればそのとおりかもしれないが、高速道路でもないのに、
「誰でもどこでもアクセルを踏めば100kmも出てしまうこと」
こそが本質的な“欠陥”ではないのか。