北陸新幹線も延伸! 「観光」で石川県を復活させるために、今、政府がなすべきことは何か?【リレー連載】やるぜ、能登復興。(5)

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北陸新幹線の開業にともない、石川県の観光地が見直されている。石川県は文化と自然が調和した観光地であり、今後のインバウンドの発展が期待される。

日常食も充実

ハントンライス(画像:写真AC)
ハントンライス(画像:写真AC)

 日常食では黒カレーの上にソースのかかったカツが乗せられ、千切りキャベツが添えられた「金沢カレー」が有名だが、「ハントンライス」もある。

 ケチャップライスの上に半熟の薄焼き卵と白身魚のフライを乗せ、ケチャップとタルタルソースをかけた料理で、ハンガリーの「ハン」とフランス語でマグロを意味する「トン」を合わせた造語といわれている(ハンガリーには該当する料理は存在しない)。

 そのほかにも金沢おでんなど、非常に幅広い食文化が存在するといえるだろう。

寝台特急で提供された“幻の駅弁”

加賀野立弁当。価格は1万円(画像:大友楼)
加賀野立弁当。価格は1万円(画像:大友楼)

 旅の目的として食は重要な位置づけを占めるが、旅情とともに食を楽しむのには

「駅弁」

がある。金沢には“幻の駅弁”といわれた駅弁が存在している。 1830(天保元)年創業の金沢の老舗料亭「大友楼」の「加賀野立弁当」である。

 2015年まで運行していた寝台特急トワイライトエクスプレスの乗客を対象に、予約制で提供されていた。1万円という価格とともに今までにないゴージャスな高級駅弁として大きな話題となり、なかなか予約が取れないため“幻の駅弁”と呼ばれるようになった。

 駅弁は風呂敷に包まれた2段仕立ての箱で、下の段は引き出しとなっており、高級感を演出している。石川県の贅を尽くした料理が20種類ほど詰め込まれており、内容は都度変更されるためお品書きはないが、

・ぎっしり詰められた肴(さかな)類
・治部煮や寿司
・水菓子

などが盛り込まれている。現在は駅弁としての販売は終了しているが、大友楼が通販で予約を受け付けており、購入できる。

 現在は全国各地でレストラン列車が運行され、このような2段仕立ての箱に地元の幸を詰め込んだ高級な駅弁がよく提供されているが、加賀野立弁当がそのイメージの“先駆け”といえるだろう。

 しかし、当時は他の地方で1万円の駅弁を提供してもここまでの評判にはならなかったかもしれない。金沢・加賀の持つ雅なイメージがこの高級な駅弁への期待感をさらに増幅させたといえる。

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