1970年代「スーパーカーブーム」はなぜ盛り上がり、そして衰退したのか? 当時の子どもはもう50代? “夢のクルマ”の興奮をもう一度

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『サーキットの狼』の影響とされる1970年代後半の日本のスーパーカーブームは、子どもたちによる熱狂的な人気を集めた。この時期、テレビアニメやクイズ番組がスーパーカーブームに乗り、各種メディアで展開された。

異例のアニメ大作戦

東京・後楽園球場で行われた、交通遺児チャリティー スーパーカー・フェスティバル。1977年3月21日撮影(画像:時事)
東京・後楽園球場で行われた、交通遺児チャリティー スーパーカー・フェスティバル。1977年3月21日撮影(画像:時事)

 1977(昭和52)年秋、日本のテレビアニメ界で異例の事態が発生した。四輪自動車レースをモチーフとした新番組が4本もスタートしたのである。

・『アローエンブレム グランプリの鷹』(フジテレビ系)
・『激走! ルーベンカイザー』(テレビ朝日系)
・『とびだせ! マシーン飛竜』(東京12チャンネル)
・『超スーパーカー ガッタイガー』(東京12チャンネル)

同時期に同様の企画が四つも生まれたのはもちろん偶然ではなく、“特定の背景”があったからである。1970年代後期、日本では空前のスーパーカーブームが巻き起こっており、4作品ともその波に乗ろうとしたのだ。

 念のため確認すると、このときの「スーパーカーブーム」とは、街中に高価なフェラーリやランボルギーニのクルマがあふれていた現象ではない。スーパーカーが“アイドル化”したブームだった。

ブームのきっかけは『週刊少年ジャンプ』

池沢早人師 サーキットの狼ミュージアムの公式ウェブサイト(画像:サーキットの狼ミュージアム)
池沢早人師 サーキットの狼ミュージアムの公式ウェブサイト(画像:サーキットの狼ミュージアム)

 ブームのトリガーとして考えられているのは、1975(昭和50)年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された池沢さとし(現:池沢早人師)のコミック『サーキットの狼』である。

 この作品は、スーパーカーや4輪モータースポーツをモチーフとしたもので、ロータス・ヨーロッパに乗る主人公の風吹裕矢が、街の“走り屋”からプロのレーサーへと成長していく物語だ。作中にはロータス・ヨーロッパ以外にもいろいろなスーパーカーが登場した。

 過去にもモータースポーツを描いたコミックやアニメは存在したが、いずれも主人公の愛車は架空のものだった。これに対し、『サーキットの狼』は実在する車種をリアルに描写したことが新しかった点である。

 そして、コミックの人気が急上昇するとともに、1976年頃からスーパーカー人気も急速に盛り上がっていった。当時、スーパーカーに魅了された大人たちも多かった。しかし、コミックが発端となったため、ブームの主役は子どもたち(主に男子児童)であった。それが1970年代のスーパーカーブームの大きな特徴である。

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