買い物難民を救え! 災害時に力を発揮する「路線バス戦略」をご存じか【リレー連載】やるぜ、能登復興。(3)

キーワード :
, ,
2024年1月に発生した能登半島地震は交通網に大打撃を与えたが、復旧したときの交通戦略が重要だ。高齢者や障がい者の支援には「客貨混載バス路線」が有効であり、平時には収益を上げ、災害時には物資や人を運ぶことができる。

産官学民連携の復興策

震災のイメージ(画像:写真AC)
震災のイメージ(画像:写真AC)

 車両やシステムのアップグレードだけではない。デジタルトランスフォーメーション(DX)社会では、バス停や待合所にあらかじめ電源スポットを設置しておくことも十分可能だ。

 また、主要なバス停を中心にデジタルサイネージを設置し、いわゆるインターネットの恩恵を受けられない人たちでも簡単に情報にアクセスできるようにするという考え方もある。スマートフォンなどが苦手な人でも、地元のバス停に行けば災害や復興、交通に関する情報が得られるというイメージがあれば便利だろう。

 筆者(西山敏樹、都市工学者)の研究室では、バス停の空きスペースを地域コミュニティーづくりの拠点として活用する実験を行ってきた。平時はバスの営業所をテレワークなどに貸し出し、災害時には復興に向けた活動に優先的に活用するというアイデアもある。

 バス発着場は、移動をともなう復興活動において、燃料や車両整備の面でもメリットがある。このような新しいアイデアも研究から出てきている。

 もちろん、こうしたアイデアはバス会社だけで実現できるものではない。行政も交通部門と災害対策部門との連携が必要だし、産官学民の連携で組織の枠を超えた取り組みが必要だ。それでも、地域を柔軟に走れるバスシステムは、復興に生かせる側面が多いのではないか。

全てのコメントを見る