京都駅の“大混雑”に拍車をかけているのは何者か? 京都市「観光特急バス」運行開始も、「地元民たまったもんじゃない」のホンネ

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京都市で観光高速バスの運行が始まった。市民と観光客のバスの使い分けは、混雑解消につながるのだろうか。

連休が終わっても観光公害消えず

小袖小路に立てられた侵入・撮影禁止の看板(画像:高田泰)
小袖小路に立てられた侵入・撮影禁止の看板(画像:高田泰)

 春の連休が終わっても、円安の影響からか、欧米や韓国、台湾などからの訪日客は相変わらず、有名観光地に集まっている。右京区と西京区にまたがる嵐山周辺では、車道にはみ出して通行する訪日客が目立つ。五条坂の狭い坂道には大型の観光バスがひっきりなしに通り、交通渋滞が絶えない。

 祇園では早朝から観光客が放置したごみの清掃に大忙し。私道を通る観光客のパパラッチ行為が問題になっていた小袖小路には、侵入や撮影禁止の立て看板が設置された。京都府警は5月末、渋滞の原因になる路上駐車の観光バス46台を指導している。

 京都駅から五条坂まで観光特急バスで移動した東京都の大学生カップルは

「行楽時期より人が少ないと聞いていたが、バスのなかは訪日客で満員。清水寺へ続く坂道も人であふれていた」

とびっくりした口ぶり。祇園の和菓子店従業員は

「コロナ禍が一段落してから、訪日客は増える一方。私たちは商売だから、人が増えるのは大歓迎だが、この辺で暮らす人にはたまったものでないはず」

と表情を曇らせた。京都市で観光客が最も多くなるのは紅葉時期。観光特急バスの効果を現時点で判断することは難しいが、大型バスでも50人も乗れば車内が混雑する。輸送力に限界がある以上、紅葉時期を想定すると不安な一面も否定できない。

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