飛行機で台湾に行くとき、なぜか機体が「東南アジアのLCC」だったワケ そもそもなぜ外資が他国へ飛べるのか?
日本各地から台湾への東南アジアのLCC路線は多い。なぜタイやシンガポールの会社が日本から台湾への路線を運航しているのか不思議に思う人も多いだろう。
以遠権路線が今もある理由 その2
以遠権路線がまだ存在する理由のひとつは、日本から該当する目的地への路線が需要の高い路線であることである。
特に、LCCを中心に以遠権路線がある台湾~日本間はかなりの行き交いがある。一例として、2023年に日本を訪れた台湾人は420万人で、韓国に次いで2番目に多い数字である。しかし、日本も台湾も自前のLCCが発達していない市場であり、両国間に就航しているのは大手航空会社傘下の3社(日本側はANA傘下のピーチ、JAL傘下のジェットスター・ジャパン。台湾側はチャイナエアライン傘下のタイガーエア台湾)しかない。
これは、韓国側にティーウェイ航空、チェジュ航空、イースター航空など大手航空会社以外のLCCが多数存在する日韓路線とは異なる点であり、東南アジアの他地域の企業にとっては、以遠権を利用した路線を開設することで競合しやすくなる可能性がある。
また、長年就航しているフルサービスキャリアの路線は、それ自体が高いブランド力を誇っている可能性も否定できない。
例えば、シンガポール航空の成田~ロサンゼルス線は、一時期A380が就航していたが、就航当初は北半球で太平洋路線に投入する路線としては最も早い就航であった。これは、同社が成田初の以遠権路線をブランドとみなし、オール2階建てのA380で運航するだけの需要があった証拠である。