パチンコ店駐車場で繰り返される悲劇 灼熱の車内に取り残される子どもたちを守るには
暑い日が続くこれからの季節、気をつけたいのが「子どもの車内放置」だ。業界団体の対策もあり、近年、遊技場での子どもの車内放置による死亡事故は報告されていない。
社会浸透への取り組み

保育施設の実例では、「ZENT(ゼント)」を運営する善都(愛知県豊田市)が、一部店舗に託児所を設置している。しかし、冒頭で述べたように、遊技場の数や子どもの出生数は減少しており、新たな客層を開拓するためとはいえ、資金を投じて保育施設を建設・運営することには不安が残る。そのため、全国規模での展開は難しい。
一方、車内放置の厳罰化の効果は“いささか疑問”である。
それは、児童虐待の通報件数が過去最高を記録したからである。この数字は、体罰が明らかに虐待にあたるという見方が広まり、この問題に対する意識と感度が高まったために通報件数が増えたという、児童虐待に対する意識の高まりの度合いを示している。
このようなケースの背景には「精神疾患、家庭問題、育児による心理的負担」などがある可能性を考慮し、個別に対応する必要がある。
実際、子ども家庭庁の「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第19次報告)」の概要では、家庭内の環境整備や心理的負担への支援の必要性が強調されている。
虐待を嫌う気持ちは筆者も十分に理解できる。しかし、厳罰化の効果に疑問符がつく以上、車内放置防止は別の視点から検討した方が建設的である。
従って、商業施設団体がこれまで紹介してきた全日遊連の車内放置防止の取り組みを参考にし、社会に浸透させていくことに意義がある。
また、クラクションの鳴らし方や防犯ブザーの持ち方を家庭で教えることも重要だ。子どもの車内放置による死亡事故「ゼロ」を達成しなければならないのは、業界ではなく「社会」なのだ。