率直に言う JR東日本・東京メトロは「混雑率100%」常態化を即刻解消し、ラッシュ時だけにしませんか?

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朝のラッシュ時以外の「混雑率100%」は問題だ。これを常態化することで「経営効率を上げよう」としているのではないか。都市公共交通のあるべき姿ではない。

混雑率100%の常態化は問題

銀座線(画像:写真AC)
銀座線(画像:写真AC)

 鉄道各社は、コロナ禍以来、列車の本数を以前の7~8割に減らしている。この状態がずっと続いている。それが「混雑率100%」の原因だ。

 鉄道会社、特にJR東日本は、コロナ禍で減った乗客は元には戻らないと考えている。これが多くの鉄道会社の認識である。それが現在の列車ダイヤにも反映されている。

 一方、JR東海、特に東海道新幹線は、コロナ禍収束後の乗客の回復を見越して「のぞみ12本ダイヤ」を洗練させている。もちろん在来線も使いやすくなっている。

「首都圏の通勤電車と東海道新幹線では条件が違うのではないか」

と考える人も多いだろう。しかし、ほとんどの鉄道会社はコロナ禍が終わった後に何をすべきかを考えることができなかった。JR東海の見通しは正しかったといえる。これほど多くの人が戻ってくるとは思っていなかっただろう。

 JR東日本などは、列車が減った数よりも乗客が減った数の方が少なかった。それゆえ、山手線や中央線では「混雑率100%」が常態化している。各鉄道会社はラッシュ時の混雑率を測定し、毎年発表している。しかし、実際には列車の種類によって混雑状況は異なり、数値以上に混雑していると感じられるケースも少なくない。

 当然、混雑率は低ければ低いほどいい。しかし、朝のラッシュ時はどうしようもない。しかし、朝のラッシュ時以外の「混雑率100%」は問題ないのだろうか。「混雑率100%」を常態化することで

「経営効率を上げようとしている」

のではないか。利益のために

「一定の混雑率を容認している」

のではないか。

 それは都市の公共交通のあるべき姿ではない。率直にいって、朝のラッシュ時以外は「混雑率100%」は解消したほうがいい。特にJR東日本や東京メトロは利用者が多く、増発の余地があるのだから、次回のダイヤ改正で検討すべきだ。

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