JR「混雑偏重 = 快速のせい」はデタラメ? 議論すべきは「有効本数」である
本当に便利でよい路線とは何かを考えるためには、どのような視点が必要か。本稿では、路線の利便性を「有効本数」という指標で見ることを提案し、いくつかの路線の例を紹介する。
「快速のせい」はデタラメ

千葉市議会議員の伊藤隆広氏は、住民向けの議会報告会で
「夕方ラッシュ時の東京駅ホームに着いた時間(1分単位)から千葉みなと駅に着くまでの時間」
をギザギザ状のグラフにしたものを公開した。
東京駅ホームに着いた時間からにしているのは、発車時刻までホームや車内で待つ時間も考慮するということである。1本前の列車にギリギリ乗り遅れてしまい、ホームでの待ち時間が最大になった人から、発車間際にホームに着いて乗車が間に合い、ホームでの待ち時間ゼロの人の場合まで測ることができる。
これによると快速廃止前の所要時間の最大は65分、最小は39分で、平均51分だった。一方快速廃止後は、最大は63分、最小は46分で、平均53.3分となり、平均時間の延伸は2分と限定的で、最大と最小の幅は26分から17分へと縮んだ。これだけ見ると
「JRの狙い通り」
とも見られる。だが速達列車があってももっと平均時間も最大最小の幅も小さい結果を出すことはできる。前述の10分間に通勤快速1本(海浜幕張で各駅停車に連絡)、各駅停車1本、武蔵野線1本のサイクルのダイヤを作って筆者が試算しグラフに追記してみたところ、最大は48分、最小は39分、平均は43.5分と10分も短縮。最大最小幅も9分にまで、さらなる圧縮ができた。
JRのいう混雑偏重や各駅停車の運転間隔の偏りは
「快速のせい」
であるという説明はデタラメということだ。逆に速達列車の設定をやみくもにやるのではなく、キチンとパターン化したダイヤでやれば、利便性は高まるということである。