深刻なバスドライバー不足! いっそのこと、地元の「病院バス」「スクールバス」を活用したらどうか【連載】ホンネだらけの公共交通論(3)

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従来の車両を使った従来のサービス提供者の時代は終わった。地域の足を確保するためには、現在の公共交通の形態を超える必要がある。

公共交通に求められる新たな視点

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 地域の足を確保するためには、現在の公共交通の形態にとらわれないことが必要だ。「2024年問題」でバスドライバーが不足していると各所でいわれているが、これは “緑地の2ナンバー”のバスを運転できる人材が不足しているという問題である。

 筆者(西山敏樹、都市工学者)は公共交通を教える大学教員であり、趣味でも鉄道やバスを追っている。ゆえに、各地の車両の写真を調べているのだが、最も衝撃的だったのは、タクシー用のクラウンを

「4人乗り路線バス」

として運用していた和歌山県の有田鉄道(和歌山県有田川町)のケースだ。

 タクシー用のセダン型車両だが、おなじみの「ワンマンカー」 のサボがついて、 行き先表示もある。これはこれでなかなか面白い。いわゆる

「5ナンバーのバス」

が存在したわけである。まさに温故知新で、これこそ日本の多くの地域で必要とされている柔軟な発想である。

 5ナンバーや3ナンバーの緑地ナンバーの車を運転出来る「普通自動車第二種運転免許」を取得する人なら、2ナンバーよりずっと多い。路線バスにもいろいろあるが、過疎地や狭い市街地の路線なら、

・トヨタのハイエースのような「業務用ワゴン車」
・トヨタのノアのような「家庭用ワゴン車」
・その他のセダン

で十分だ。路線バスを乗り合いのための乗り物と考えれば、

「箱型の大型車」

にこだわる必要はまったくない。そうなれば、ドライバーの確保が容易になるだけでなく、路線バス事業者は車両の初期費用や維持費用を大幅に削減できる。

 モータリゼーションの影響でタクシー会社の苦境がニュースになりがちだが、路線バス事業者とタクシー事業者が連携し、路線バス事業者が小型車両を使ってタクシー事業者に業務を委託することも考えられる。

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