「乗り換え面倒」 北陸新幹線・敦賀延伸が招いた“落とし穴” 福井は近く、関西は遠くなった庶民のリアル
北陸新幹線が3月16日、福井県敦賀市のJR敦賀駅まで延伸した。北陸と首都圏の距離が縮まる一方、交流の深かった関西が遠くなることを嘆く声もある。
3月16日開業「関西が遠くなる」の声

北陸新幹線が3月16日、福井県敦賀市のJR敦賀駅まで延伸した。これにより、北陸と首都圏の距離が縮まる一方で、「古くから交流が深い関西が遠くなる」と嘆く声も聞こえた。
北陸新幹線が敦賀へ延伸した週末が終わり、敦賀駅では帰りの観光客らが切符売り場に列を作っていた。JR西日本の職員が案内役を務めるが、混雑をなかなかさばけない。そんな中、千葉県浦安市へ帰る60代の夫婦は
「福井の食と名所を堪能できた。東京から新幹線1本で来られるようになり、福井がとても近くなった気がする」
と笑顔を見せた。
延伸当日、県都の福井市では歩道を埋め尽くす人出に地元の人が驚いていたが、敦賀市も敦賀駅前とその周辺で「つるが街波(まちなみ)祭」と銘打った記念イベントが催され、多くの観光客でにぎわった。
石川、富山、福井の北陸3県は関西との行き来が盛んな土地だが、敦賀市新幹線誘客課は
「首都圏や長野、新潟両県など北陸新幹線沿線からの観光客が目立った」
という。北陸新幹線が人の流れを変えたようだ。
関西からの旅行客は乗り換えに不満の声

北陸新幹線の敦賀延伸で大阪市から石川県金沢市まで運行してきたJR北陸本線の特急「サンダーバード」は、敦賀止まりになった。関西から金沢市や福井市へ向かうには、敦賀駅で乗り換えが必要。大阪市から福井市までは3分、金沢市までは22分の時間短縮になるとはいえ、乗り換えの影響は大きい。
敦賀駅の新幹線ホームで話を聞いた。京都市から来た30代の会社員は
「系列会社がある越前市へ出張でよく来るが、乗り換えは面倒。サンダーバードを金沢まで残してほしかった」
と不満げな表情。堺市から50~60代の6人で観光に訪れた女性グループは
「敦賀駅が広くて乗り換えが大変。来年は乗り換えのない行き先にする」
と苦笑していた。