経済・貿易分野の「日米同盟」は本当に必要か? トランプ勝とうがバイデン勝とうが、日本人が考えねばならぬこととは
- キーワード :
- 自動車
政治が経済に介入する米国

しかし、バイデン政権とトランプ前政権の対中姿勢には大きな違いはなく、バイデン政権はトランプ前政権で導入された対中貿易規制を解除していない。
それどころか、バイデン政権は2022年秋、先端半導体が中国によって軍事転用されるのを防止するため、同分野での対中輸出規制を強化し、2023年初めには同規制で日本とオランダに同調するよう呼び掛けた。
先端半導体の製造装置で高い世界シェアを誇る日本とオランダは、それぞれの経済合理性と安全保障のはざまのなかで対中輸出規制を開始したが、米国は今後も安全保障に影響を及ぼす範囲においてはちゅうちょすることなく対中規制を強化する方針で、今後の行方によっては、日米の間でも摩擦が生じてくることもあり得よう。
トランプ政権の再来を民主主義の危機と訴えるバイデン大統領ではあるが、仮に選挙戦で勝利しても、米国民の“内向き化”も以前より進んでいることから、バイデン政権2期目がトランプ路線を取らざるを得ない場面も出てこよう。バイデン大統領も日本製鉄のUSスチール買収計画では反対の姿勢を示している。
冷戦以降、経済のグローバル化が進み、日本企業のグローバルなビジネス展開も急速に進んでいった。政治が経済に介入せず、経済は経済で回す市場主義、自由経済を主導してきたのは紛れもなく米国であるが、今日、それに背を向けるような保護主義にかじを切っているのも米国だ。
昔も今も、そして今後も日本外交にとって基軸となるのは日米関係であり、安全保障上の日米同盟だが、経済や貿易の領域で日米同盟が必要とは限らない。経済安全保障上、日本が米国との関係を重視していくことは当然だが、日本企業としては、
・経済/貿易の保護主義化が進む
・グローバル経済に背を向ける
米国の動向には注意を払う必要があろう。