総額1100億円! JR北海道に国交省「監督命令」 財政支援“3年延長”に未来はあるのか?
目標達成が困難な状況

国土交通省はJR北海道に対し、経営改善の監督命令を出した。財政支援は2024年度から3年間延長されるが、支援継続中のJR四国を含めた2社の先行きには不安がつきまとう。
「JR北海道は中期経営計画の収支改善目標達成が困難な状況。抜本的な改善策を確実に取りまとめてほしい」
斉藤鉄夫国土交通相は記者会見でJR北海道に対し、経営改善の監督命令を出すとともに、2024年度から3年間で1092億円を支援することを明らかにした。
JR北海道は人口減少や車社会の進行により、札幌圏以外で旅客減が深刻さを増し、苦しい経営を続けている。特にJR北海道が単独で維持できないとする
・根室線(釧路~根室)
・釧網線(釧路~網走)
など8線区(黄色線区)については、収支や輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)の目標をほとんど達成できず、費用負担の方向も決められなかった。
斉藤国交相は
「黄色線区の見直しは経営改善、地域の持続可能な輸送サービス確保の両面で重要な課題。改善策は線区ごとの特性を踏まえてほしい」
と述べた。このあと、JR北海道の綿貫泰之社長が国交省を訪ね、監督命令を受け取った。
経営危機浮き彫り

JR北海道の2023年度第3四半期(4~12月)連結決算は100億円の最終黒字だが、本業のもうけを表す営業損益は318億円の赤字。黒字決算は
「国の財政支援」
があったからだ。JR北海道は非鉄道事業の収益増や北海道新幹線の札幌延伸に期待するが、
・不動産収益:36億円
・ホテル収益:15億円
しかなく、札幌延伸も目標の2030年度に間に合いそうにない。
2023年度上期の線区別収支は札幌圏を除いてすべて赤字。輸送密度は、
・根室線富良野~新得間:64人
・留萌線深川~石狩沼田間:171人
・根室線釧路~根室間:251人
など厳しい数字が並ぶ。うち、富良野~新得間は4月、深川~石狩沼田間は2026年廃止される。
JR北海道は国の財政支援を老朽化した施設更新や生産性向上に向けた設備投資に充てる方針。国は2019、2020年度に約400億円、2021年度から3年間で約1300億円を支援してきたが、2030年度までJR北海道を支援して経営自立を実現したい意向だ。
黄色線区に対しては、国交省が2018年に監督命令を出し、2023年度末を期限に抜本的な改善策を打ち出すよう命じていた。国交省鉄道事業課は
「監督命令は国交省の強い決意の表れ」
と述べた。JR北海道の綿貫社長は「監督命令を重く受け止め、不退転の決意で経営改善に取り組む」とコメントしている。