日本ハム新球場「新駅開業」 結局どんなメリットがあるのか?
北海道ボールパークFビレッジの隣接地にはJRの新駅の建設が計画されている。新駅の開業メリットに答えるには、球場アクセスの現状や特性を理解する必要がある。筆者の視察や体験を基にして、この疑問について回答する。
にぎわうエスコンF

2023年3月14日、日本ハムグループが600億円を投じて建設を進めている「北海道ボールパークFビレッジ」(以下BP)の中核施設「エスコンフィールドHOKKAIDO」(以下、エスコンF)で、西武を迎えて初のオープン戦が開催された。
BPは、最寄り駅の北広島駅から約1.5km離れており、徒歩約20分を要する。初試合の日、筆者(大塚良治、経営学者)は北広島駅からシャトルバスで球場入りし、帰りもシャトルバスで北広島駅へ戻った。
行きはすぐに乗車できたが、帰りは乗車までに20分ほどを要した。それでも、行き帰りともにバス乗車後、数分で到着した。この日の入場はシーズンシートオーナーとファンクラブの一部会員などに限定していたこともあり、球場内の人の流れや飲食店での順番待ちはそれほど気にならなかった。
4月14日・15日・16日の対西武3連戦で、再びエスコンFで観戦する機会を得た。14日は新札幌駅からバスに乗車するために、行列に加わったが、乗車前に乗車券を購入する必要があることを知らず、係員から購入を促された。列に並び直したものの、あまり長時間待たずにバスに乗ることができた。
乗車後は約20分でエスコンFに到着。試合終了後は直ちに新札幌行きバスへの乗車を試みるも、90分待ちの行列ができているとの案内を聞いて断念し、球場内で人混みが落ち着くまで待機した。球場内では飲食店が営業を続けており、食事を取りながら過ごす観客が多く見られた。
この日の観客数は2万6602人と盛況だったことに加えて、日本ハムが3回に3得点を決めて以降、最終回まで優位に試合を進めたため、試合終了まで観戦した観客が多く、バスの集中的な混雑に拍車がかかったと思われる。