総額1100億円! JR北海道に国交省「監督命令」 財政支援“3年延長”に未来はあるのか?

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国土交通省はJR北海道に対し、経営改善を求める監督命令を出した。財政支援は2024年度から3年間延長されるが、現在も支援を受けているJR四国を含め、2社の先行きは不透明だ。

JR四国の障害は人口規模の小ささ

商業施設が22日に開業する高松市のJR高松駅(画像:高田泰)
商業施設が22日に開業する高松市のJR高松駅(画像:高田泰)

 経営が厳しいのはJR四国も同じだ。2021年度からは5年間で

「1025億円」

の財政支援を受けている。2023年度上期連結決算は21億円の最終黒字だが、営業外収益が74億円計上され、国の支援に支えられた部分が大きい。

 四国には政令指定都市がない。人口最大の都市は愛媛県松山市の約50万人。ドル箱路線といえる線区は存在しない。2023年度上期の線区別輸送密度を見ると、牟岐(むぎ)線牟岐~阿波海南間156人、予土線北宇和島~若井間178人など“超閑散路線”が存在する。

 2022年度で黒字だったのは瀬戸大橋で岡山県と結ぶ本四備讃(ほんしびさん)線だけ。JR四国は愛媛、高知の両県にまたがる予土線全線と徳島県の牟岐線、愛媛県の予讃線の一部について、将来のあり方を地元の地方自治体と協議したい考えを示している。

 JR四国が苦境打開に向けて進めているのが、非鉄道事業での収益確保だ。JR高松駅で22日、商業施設「高松オルネ」が開業するのをはじめ、ホテルやマンション事業にも力を入れている。四国の市場に限界があるとしてホテルは兵庫県姫路市、マンションは茨城県つくば市で事業参入した。

 しかし、2023年度上期の営業利益は非鉄道事業全体で約10億円。鉄道を中心とする運輸部門の営業損失59億円を埋める力はない。JR四国は

「非鉄道部門の収益を拡大し、少しでも経営を好転させたい」

と苦しい胸の内を打ち明ける。

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