総額1100億円! JR北海道に国交省「監督命令」 財政支援“3年延長”に未来はあるのか?
国土交通省はJR北海道に対し、経営改善を求める監督命令を出した。財政支援は2024年度から3年間延長されるが、現在も支援を受けているJR四国を含め、2社の先行きは不透明だ。
経営を直撃した低金利

JR北海道とJR四国の経営が厳しくなることは、1987(昭和62)年の国鉄分割民営化の時点でわかっていた。このため、設けられたのが経営安定基金である。
・JR北海道:6822億円
・JR四国:2082億円
が国鉄清算事業団から拠出された。基金の運用益で赤字を埋め、JRに引き継がれた路線の維持を図ろうとしたわけだ。
しかし、バブル経済がはじけて長期金利(資金の貸し借りの期間が1年超の金利)が下落、日本は低金利時代に入る。JR北海道が受け取った経営安定基金の運用益は1987年度の498億円に対し、2010(平成22)年度は
「231億円(54%減)」
しかないなど、運用益の減少が続いてJR北海道とJR四国の経営を悪化させた。
赤字路線を維持するための仕組みが崩壊したわけで、北海道や四国の急激な人口減少も当時から予測されていた。この時点で抜本的な対策を講じる必要があったが、国交省の動きは鈍い。補助金交付など
「小手先の対応」
に終始し、これまでより手厚い国の支援で経営再建を目指すようになったのは、2021年に国鉄清算事業団債務処理法が改正されてからだ。
両社は2031年度の経営自立を目指しているが、実現には疑問符がつく。失敗すれば赤字路線の廃止に拍車がかかって地域の衰退がさらに進むことになる。
人口減少時代に公共交通としての鉄道はどうあるべきなのか、どの路線が鉄道として必要なのか、国と地方がどんな役割を担えば必要な鉄道網を維持できるのか、経営安定基金の運用益に代わる方策はあるのか、国政の場でしっかりと議論する時期に来ている。