中国が台湾を軍事侵攻? よくある台湾有事論が「単なる妄想」である3つの理由

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台湾有事論は、日本の防衛力増強の根拠でもある。防衛費の増額と敵地攻撃能力は必要である。その理由として、「台湾有事は日本有事」という脅し文句とともに取り上げられている。だが本当なのか。

台湾を抑止する日米

 第3が日米による台湾の抑止である。これも現状維持を確実にする。

 日米は現状維持のために台湾の“冒険主義”を封止する。台北政権による台独を許さない。

 なぜなら日米は台湾有事を望まないからである。

 そうなれば中国とは戦う羽目に陥る。まず日本人と米国人の血が流れる。しかも、中国との経済交流も途絶える。加えて、戦後にも一触触発の対峙(たいじ)が続くのである。

 とうてい受け入れられない。両国にとって台湾にはそれほどの価値はない。

 だから台湾有事をもたらす最大のリスク、台独を許さない。その際には援助をしないと突き放している。

 結果、台湾の冒険主義は封じられた形である。両国は安全保障における命綱である。中国の武力行使に抵抗するためには日米の武器援助や経済支援、軍事介入は欠かせない。その日米にはしごを外すといわれると何もできなくなるのである。

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