京葉線「通勤快速廃止」 通勤時間20分増どころか、実はその「1.2倍」だった!

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京葉線の通勤快速が廃止され、東京~蘇我間の所要時間が20分延びたと各社が報じていたが、前回のダイヤ改正と合わせて実際は「24分の増加」だったことが判明した。

東急ではむしろ追い抜き増

奥沢駅(画像:写真AC)
奥沢駅(画像:写真AC)

 一方で、私鉄では沿線価値向上のための取り組みとして、京葉線とは逆に追い抜きを増やすことに積極的だ。

 東急では東横線と目黒線の都心側の駅で追い越し設備を増やしており、東横線では中目黒駅手前の祐天寺駅で幅が広かったホームを削って追い越し設備を新設。目黒線では大岡山駅手前の奥沢駅で、車庫用地を削って追い越し設備を新設し、通勤特急や急行の所要時間を3分短縮した。たった3分のためにここまでの努力をしているのだ。

 しかも東急の場合、急行系と各駅停車の本数の比率を1対1にして交互に運転させる「パターンダイヤ」により、JRがダイヤ改正理由とする

「運転間隔の適正化」

も両立している。追い越し設備を持ちながら追い抜きをせず、鈍足化に熱心な京葉線とは対照的だ。

 追い抜きのオペレーションを減らしたいのは武蔵野線からの合流や指令業務の煩雑性があるからだろうが、相鉄本線、いずみ野線から途中駅での分岐合流がある東急の方がはるかに難しいはずだ。それでもやり切っているのだ。

極端な変更への抵抗

 京葉線のような極端な変更に対して、私たちが影響を与える方法はないのか。鉄道事業法には、

●第23条 事業改善の命令
国土交通大臣は、鉄道事業者の事業について輸送の安全、利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、鉄道事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。

という規定があり、その改善命令が出せる項目のなかには

「二 列車の運行計画を変更すること」

というものもある。

 今回の京葉線問題では列車ダイヤの業務改善命令を出せる可能性はあるのか。国土交通省鉄道局都市鉄道政策課鉄道サービス政策室に確認したところ、業務改善命令の対象になるか回答できないとしつつ、一般論として、

・ダイヤは届け出制である
・先日の大宮付近の新幹線架線事故でさえ警告書を出すにとどめており、業務改善命令はよほどのことがない限り出さないくらいの重いものである。
・ただ沿線自治体には理解を得られるようコミュニケーションを取りながらやってほしいとは兼ねてからお伝えしている。

との回答だった。

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