京葉線「通勤快速廃止」 通勤時間20分増どころか、実はその「1.2倍」だった!

キーワード :
, ,
京葉線の通勤快速が廃止され、東京~蘇我間の所要時間が20分延びたと各社が報じていたが、前回のダイヤ改正と合わせて実際は「24分の増加」だったことが判明した。

通勤快速は実質特急化

 千葉市長がいうように、そんなにゆっくり走るのなら、海浜幕張にも通勤快速を止めて、各駅停車の接続をやってもいいのではないか。そうなると、通勤快速が混雑するのではないかと心配する人もいるかもしれないが、その心配はなさそうだ。

 京葉線は1両あたり約160人が定員だ。座席定員は54人である。この数字から察するに通勤快速の乗車率は80%程度である一方、海浜幕張発車後の各駅停車も平均70%程度だ。各駅停車に乗っている人のうち、座っている人は残ると仮定して計算すると、海浜幕張で各駅停車から乗り換えてくる乗客を足しても、通勤快速の乗車率は120%程度で収まるだろう。各駅停車と通勤快速両方とも7分30秒おきで1対1の本数比率にするのが望ましいが、この水準なら各駅停車からの乗り換え客2本分受けても収まるレベルだろう。反対に各駅停車は乗車率が減り、需要が旺盛な新浦安からの乗客を受ける余裕が増える。

 だが残念ながら他誌で既報の通り、次のダイヤ改正では通勤快速1本が実質特急化により、これまで蘇我7時44分発、東京8時26分着の通勤快速がなくなる代わりに、蘇我7時39分発、東京8時25分着とほぼ同じ時間枠で特急が設定される。

「25分の早起きか、特急への課金か」

の選択を露骨に迫るJR東日本。しかも特急化によって蘇我~東京間は無停車にもかかわらず所要時間が42分から46分と、さらに4分遅くなるではないか。そうするともう累積で7分遅くなることになるが、一体これのどこが

「沿線価値の向上」

につながるというのだろうか。おそらく葛西臨海公園の追い抜きをしないだけでなく、新浦安での追い抜きもやめて時間が延びるのではないかと予想される。

 武蔵野線列車で混雑が増した複線の京葉線、特急でも所要時間が増えて海浜幕張にも新木場にも止める気がないなら、ラッシュ時の特急は複々線の総武快速線経由にすべきではないか。通勤快速や朝夕の快速を各駅停車の運転間隔是正のためになくすなら、京葉線の途中駅で乗降できない特急もなくすか走らせる線路を変えるのがスジだろう。

 一般的に総武快速線のような15両編成の中距離列車は3分間隔、1時間最大20本までは走らせられる。最も本数の多い津田沼~東京間でも1時間最大18本とまだ余裕があり、特急「さざなみ」や「わかしお」が入り込める余地はある。

 また、京葉線はもともと15両まではホームも車庫も伸ばせる設計となっており、通勤快速にグリーン車を連結して特急を置き換えれば、通勤輸送の邪魔をせずに着席サービスを提供できる。

全てのコメントを見る