京葉線「通勤快速廃止」 通勤時間20分増どころか、実はその「1.2倍」だった!

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京葉線の通勤快速が廃止され、東京~蘇我間の所要時間が20分延びたと各社が報じていたが、前回のダイヤ改正と合わせて実際は「24分の増加」だったことが判明した。

実質47分の遅れ

蘇我駅の位置(画像:OpenStreetMap)
蘇我駅の位置(画像:OpenStreetMap)

 問題は、「いつから」遅くなったのかである。

 過去の時刻表から、少なくとも2022年春改正のダイヤでは、朝は蘇我~東京39分、夕方の東京~蘇我33分のダイヤだった。変わったのは今回の騒動の2024年春改正の1年前、2023年春改正だったのだ。

 もし通勤快速がもともとの速いダイヤのまま廃止となるなら、報道各社は東京~蘇我間約25分、往復50分増と報道することになったはずだ。また、インターネット上では

「総武快速線経由に切り替えれば時間差は少ない」

という投稿も散見されたが、総武快速線経由だと朝の蘇我~東京は50分、東京~蘇我は47分と、どちらも速かった頃の京葉線通勤快速と比べると朝は10分越え、夕方は15分近くの差であった。2023年ダイヤ改正で鈍足化した京葉線通勤快速との比較だと、どちらもその差はきれいに10分以内に収まっているのだ。そうすれば

「ほら。総武快速と10分も差がないんだから通勤快速なくしても許容範囲でしょ」

といえる。つまり、現在の京葉線通勤快速のダイヤは、通勤快速廃止の影響を小さく見せる“世論誘導”のための

「牛歩戦術ダイヤ」

だと思われても仕方がない。これについてJR千葉支社に問うと

「弊社内関係部署に確認いたしましたが、そのような目的で2023年春のダイヤ改正を行った事実はございません」

とのことだった。だが、減速の目的が何であれ、通勤快速の廃止によって、2023年春のダイヤ改正の減速分が考慮された場合、実質片道24分、往復で47分も運行が遅くなることに変わりはない。読者の皆さんはどう思われるだろうか。

 ちなみに、廃止直前に乗った東海道線の通勤快速は、品川~川崎間の普通列車より30kmほど遅く走っていたことを付け加えておきたい。

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