鮮やかなボディカラー、滑らかなボディライン! 日産「シルビア」はいつの時代も若者の憧れだった【連載】90’s ノスタルジア・オン・ホイールズ(13)

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1990年代は、バブル崩壊後も未来への夢と希望に満ち、国内の自動車産業も活況を呈していた。本連載では、当時のクルマ文化を探るとともに、興奮を読者に甦らせる。

内外一体の美学

車両詳細(画像:日産自動車)
車両詳細(画像:日産自動車)

 こうした繊細な外観処理への留意は、どちらかというと武骨だった先代のイメージを反省すると同時に、市場での最大のライバルと目されていたホンダ・プレリュードを強く意識したものだったのが特徴である。デザインへのこだわりはインテリアにも徹底されており、それまでの日産車とは一線を画する上質ものに仕上げられていた。

 それでいて、市場でのライバルだった前記のホンダ・プレリュードやトヨタ・セリカがFF(フロントエンジン/フロントドライブ)だったのに対して、シルビアはFR(フロントエンジン/リアドライブ)となっていた。すなわちスポーツモデルとしての自然なハンドリングにも日産らしいこだわりが込められていたことは特筆すべきである。

 その結果、市場での性格付けはどちらかというとマイルドな一種のデートカーだったのに対して、いつの間にか強いスポーツイメージが付いて回ることとなる。特に最上級グレードだったK’sには、デビュー当初は1.8Lターボだったエンジンを1991(平成3)年のマイナーチェンジで2Lターボ(最高出力205ps)へと換装。最高出力が175psから大幅に増加したことで、その動力性能はFRならではの自然なハンドリングとあいまってクラス最強との評判が高まることとなる。

 実際、仕事を通じて試乗した筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)が感じた印象も、K’sに限っていえば見た目のナンパさとは一線を画するスパルタンなスポーツモデルというものだった。

「これは峠走りなどが大好きなユーザーにとってはたまらないな」

と実感するものだったといってよい。

 ちなみにともにターボチャージャー仕様ではなかった中位グレードであるQ’s、下位グレードのJ’sのいずれも、パワフルさとは無縁ではあったものの、それなりに運転を楽しめるよい味付けがなされていた。

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