名探偵コナンからゲゲゲの鬼太郎まで 地方空港「愛称」合戦は本当に効果があるのか?
茨城空港の愛称は撤回へ

愛称を付けることで、物議を醸し出した事案も過去に起こっている。最近では、茨城空港が話題となった。
茨城空港は自衛隊との共用空港で、正式名称は百里飛行場という。2020年春、海外向けの愛称として
「Tokyo Ibaraki International Airport」(中国語表記は東京茨城国際機場)
が検討されたものの、結局、海外向けは「Ibaraki International Airport」、国内向けは変わらず「茨城空港」となった。一時は
・東京北空港
・東京首都圏茨城空港
・東京茨城空港
・東京茨城国際空港
などが検討されたが、地元から
「東京に接していないのに誤解を招く」
「茨城県民に誇りはないのか」
といった批判的な声が続出。東京(Tokyo)を付ける案はすべて撤回された。
ちなみに、成田空港は開港当時「新東京国際空港」だった。また、伊豆大島の大島空港は2021年9月、愛称が「東京大島かめりあ空港」に決定した。東京がある種のパワーワードだけに、付けたがる根拠は分からなくもない。
茨城空港と東京都心は約80km離れているものの、空港と東京駅を結ぶ直行バスがあり、インバウンドや都心へ向かう人たちにもともと人気が高かった。だが地元あっての空港であり、最終的に東京を外したほうが納得できる人が多かったのだろう。
2010年頃には和歌山県の南紀白浜空港で、空港近くのアドベンチャーワールドで人気のパンダにあやかって、パンダを空港の愛称に入れると取りざたされた。また福島空港は、ウルトラマンの生みの親・円谷英二監督が空港所在地の出身だったことから、ウルトラマンを常設展示しており、空港の愛称にも……との声があった。しかし、いずれも実現していない。空港のある場所に名産品や観光スポットがいくつもあると、ひとつの愛称にはまとまらないケースもある。
結局のところ、愛称は利用者の確保や経営に苦しむ地方空港における特効薬となっているとは言い難い。ただ、愛称をきっかけとして地域活性化、観光客の誘致などにつながる可能性はゼロではない。大半の空港は愛称を付けただけで完結しているが、最も肝心なのは、その後に生かす施策なのである。